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腹が痛い時は何を考える?病気は?症状別に考えてみよう~腹痛 後編

どうもDrアビです。 今回は腹が痛い時に考えること:後編に関して書いていこうと思います。

 

前編では、腹部にある臓器腹痛の分類を簡単にご紹介しました。

腹痛は大きく3つに分けて考えることができましたね。

内臓痛・体性痛・関連痛

でした。

ここで注意が必要なのは、 腹痛では必ずしも腹部臓器に原因があるわけではないということと、外来でも正確に診断されずに「原因不明の腹痛」として取り扱われていることも多いということです。

 

今回はそんな腹痛の、具体的な病気に関してあげていこうと思います。

 

ただし何度も書きますが、当然ここに書いたことが全てではありません。

 

自己診断はやめて、気になるときは必ず医療機関を受診するように心がけましょう。

    

 

 

 

腹痛を引き起こす代表的な病気

腹痛を呈する代表的な病気をあげていこうと思います。

以前書きました痛みの種類と一緒に考えると少しは分かりやすいかもしれません

ただし、ここであげることのできる病気はごくわずかです。ご注意ください。

胃十二指腸潰瘍

 非常に強い酸である胃酸と、胃の粘膜とのバランスが崩れや、ヘリコバクターピロリの感染によって引き起こされる潰瘍です。ヘリコバクターピロリ感染や飲酒・喫煙、辛い・熱い食事、ストレスの他、薬(NSAIDsやステロイド)も原因になり得ます。

食前後にみぞおち付近に痛みを感じることが多いとされています。

 

腸軸捻転

 大腸のS状結腸によく発生する、腸間膜を中心に腸管がねじれて内容物が通りにくくなったり、血行が障害されて腸管への血流が途絶えてしまう病気です。高齢者や精神疾患を有する方に多いとされていますが、便秘・妊娠などの場合も起こることがあります。

突然の腹痛で発症し、腹部膨満吐き気危険な血圧低下をきたすこともあります。

急性腸炎

 ウイルス性胃腸炎と感染性胃腸炎があります。食品に原因があることがほとんどですが、まれにペットや海外渡航、原因不明のこともあります。

症状は下痢嘔吐腹痛が主で、発熱を伴うこともあります。

虫垂炎

 いわゆる盲腸です。放置してひどくなると腹膜炎を発症し、死亡することもあります。

症状は初期はみぞおち~へそ周囲が痛くなり、次第に右下腹部に限局して痛くなります。つま先立ちからかかとを床に勢いよくつけて落とす検査が有用と言われています。痛みが出現すれば陽性となります。その他、食欲不振嘔吐発熱といった症状もおこります。

腸閉塞

 腸管が閉塞する病気ですが、機械的(物理的)に閉塞する場合と、機能的に閉塞する場合(腸管が運動しないことで消化物がそこにとどまってしまう場合)があります。

症状は腹痛の他、嘔吐腹部膨満感などです。治療が遅れると命に関わることがあります。

大腸憩室炎

 大腸の壁の一部が腸管内圧の上昇などが原因で袋状に腸管の外に突出してしまった憩室といわれる部位に、何らかの原因で炎症が起こってしまった病気です。腸管内圧が上昇する原因は、食物繊維摂取の減少や便秘などが言われています。

憩室炎の症状は腹痛腹部膨満感下痢などがあります。

便秘症

 急性と慢性の便秘で対応が異なります。急性の場合は早めの治療が必要です。若い女性は便秘が多く、男性は下痢が多いと報告されています。

症状は腹痛嘔気腹部膨満感食欲不振めまいの他、背中や肩の痛みも感じることがあります。

過敏性腸症候群

 大腸の運動機能や分泌機能の異常で起こる病気で、検査で明らかな原因がない場合がほとんどです。20-40歳代に多く、自律神経の異常をきたすストレスが大きな原因と言われています。

症状は腹痛下痢もしくは便秘の他、めまい頭痛動悸抑うつ感など、幅広いです。

クローン病

 すべての消化管に炎症を引き起こす可能性のある病気です。10-20歳代に多くみられます。原因はいまだにはっきりとは解明されていません。

腹痛血液を含んだ下痢の他、体重減少発熱口内炎皮膚症状など多岐にわたる症状を呈します。厚生労働省より難病指定されています。

潰瘍性大腸炎

 主に大腸粘膜に潰瘍ができる原因不明の病気で、発症年齢は20-30歳で多いとされていますが、高齢発症も報告があります。

腹痛血液を含んだ下痢の他、発熱体重減少貧血皮膚症状などを呈します。こちらも厚生労働省より難病指定されています。

 

 

肝膿瘍・肝周囲炎

 肝臓に膿瘍を形成したり、肝臓を覆う膜に炎症が発生した病気です。大腸菌や赤痢アメーバといった感染が原因で起こることが多いです。

症状は右上腹部の痛み発熱を呈します。

胆のう胆管炎

 胆石や細菌感染が原因でおこる病気です。場合によっては胆のう胆管がんが原因のこともあります。

症状は右上腹部の痛み深呼吸で起こる腹痛右肩に抜けるような痛みの他、吐き気発熱があります。

膵炎

 ウイルス感染や胆石、アルコール、血中の高中性脂肪、自己免疫などが原因で起こる膵臓の炎症で、重症膵炎の場合は致死率は30%を超えると言われています。

上腹部の激痛背部痛の他、嘔吐発熱腸運動障害などを呈します。

脾臓梗塞

 脾臓を栄養する血管が何らかの原因で突然つまってしまう病気です。心臓に持病がある方が多いです。

突然の左上腹部痛が生じます。

尿管・尿路結石

 尿路系に腎臓で生成された結石が沈着しておこる病気です。食生活が原因のことが多いです。青年期から壮年期の男性に起こりやすいと言われています。

症状は腰周囲やわき腹、背中におこる激痛で、痛みの王様ともいわれるくらいの強さです。

膀胱炎

 膀胱におこる炎症で、女性に多い病気です。大腸菌の他、腸球菌などの感染が原因で起こります。

腹痛は排尿時に感じることが多いです。他には頻尿血尿発熱といった症状を呈することがあります。

大動脈解離、腸管膜動脈閉塞

 大きな動脈が裂けたり詰まったりする病気です。高血圧や不整脈の基礎疾患を有している方が多いです。

突然の激痛で発症し、早急な治療が必要です。痛みとしては今まで経験したことがないような強さで、嘔気なども呈することがあります。

心筋梗塞

 心臓を栄養する血管が詰まってしまうことが原因です。高血圧などの動脈硬化が進んでいる患者さんに起こることが多いです。

胸痛の他、上腹部痛を訴える場合もあります。冷や汗悪心といった症状も起こる場合があります。

肺炎

 感染などが原因で肺に炎症が及んでいる病気です。

正中または左右どちらかの上腹部に腹痛を訴えることがあります。発熱を伴っていることが多いです。

肋骨骨折

 下部の肋骨骨折がある場合も腹痛を訴える場合があります。怪我をした時点が不明なこともまれにあります。

大きい受傷機転の場合、腹部臓器も受傷している場合があるので注意が必要です。

腹膜炎

 腹部臓器を覆っている腹膜に炎症が起こっている状態です。腸管や他の腹部臓器の炎症や穿孔などが原因で腹膜に炎症が及んでしまった状態です。早期治療が必要です。

腹痛は、腹部を圧迫した手を急に離すことで痛みが響いたり、腹筋が硬くなってしまったりする特徴があります。他には発熱悪寒嘔吐などの症状があります。

糖尿病性ケトアシドーシス

高血糖が原因で身体の血液が酸性になってしまっている状態です。高血糖の原因は感染であったり、糖質の大量摂取などがあります。

症状は腹痛の他、嘔気多尿などがあり、進行・放置すると昏睡意識障害をきたし死亡する場合もあります。

白血病

血液のがんといわれる病気で、異常な白血球とよばれる血球成分が原因で、正常な血液細胞が減少してしまいます。

そのため、感染症にかかりやすくなったり、出血が止まらなくなったりします。腹痛腹部膨満感関節痛頭痛などの症状も出現する場合があります。

帯状疱疹

 ヘルペスウイルスというウイルスが原因でおこる病気で、基本的に身体の左右どちらか一方に発症します。

ぴりぴりとした皮膚の痛みとその部位の帯状の皮疹が特徴です。腹部にも発症します。

鉛中毒

 鉛は食物中にも含まれていますが、日常生活で起こることはまずなく、塗料や金属、汚染水の摂取・誤飲が原因などで起こる可能性があります。

貧血とともに頭痛腹痛感覚消失嘔吐などの症状が出現します。

その他

 そのほか、心身症というストレスが原因で腹痛が起こったり、熱中症でも腹痛が起こる場合があります。

 

 

終わりに

 どうでしょうか?いままで腹痛に関して書いてきました。

お気づきかもしれませんが、腹痛は実は非常にたくさんの病気が引き起こす可能性が高いです。

そのため、診断不能な腹痛と分類される場合もしばしばあります。

では腹痛を感じた場合、どう考えればいいのでしょうか?

 

いつも全く腹痛を感じない患者さんが強い腹痛を感じた場合は、もちろん早めに医療機関受診をお勧めします。

 

ふだん腹痛を感じることの多い患者さんが大切なことは、

いつも感じる腹痛の性状や持続期間などを覚えておき、

ふだんと違う腹痛の場合に、

手遅れにならないように早めに受診する、

そしてその際に病歴や痛みをうまく医療者側に伝える

ということです。

 

かなり難しいことですが、もし少しでも助けになれば幸いです。

何かありましたらいつでも是非コメントください。

 

ではこの辺で。それでは、また。 

 

 

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