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胸が痛い時は何を考える?病気は?症状別に考えてみよう~胸痛 後編

どうもDrアビです。 今回は胸が痛い時に考えること:後編です。

 

前編では胸の痛みに関する詳しい考え方と、胸にある臓器を書きました。

興味がある方は前編からどうぞ!

 

 

後編では胸痛を引き起こす代表的な病気

に関して書いていきます。

 

ただし、ここに書いたことが全てではありません。

そこの所だけ注意するよう、お願いします。

    

 

 

胸が痛くなる主な病気

それぞれの臓器で痛みを引き起こす代表的な疾患をあげてみたいと思います。

どんな病気が考えられるのでしょうか。

心臓と大動脈

・狭心症、心筋梗塞

それぞれ、心臓を栄養する血管が細くなる、もしくは詰まってしまうことが原因です。大量の血液と接している心臓ですが、自身の筋肉へは冠動脈と呼ばれる血管を経由しないと栄養や酸素を摂取できません。

この血管に不調がある場合、強い胸痛を感じます。

痛みの特徴としては、冷や汗を伴い、締め付けられるような痛みや、胸が押されるような痛みを感じることが多いです。痛みは前胸部から左肩に放散することがありますが、稀に歯痛を訴える方もおられます。狭心症は比較的持続時間は短いですが(5~15分)、心筋梗塞の場合は30分以上持続します。

 

・心臓弁膜症(大動脈弁狭窄症)

心臓には4つの部屋がありますが、各々に弁と呼ばれる逆流防止のドアのような組織があります。主に心臓の出口で大動脈へとつながる弁が狭くなっている場合、胸痛を感じます。

痛みの特徴としては、狭心痛とよばれる上記の狭心症の症状に似ています。特に労作時(運動時)の胸痛は特徴的です。随伴する症状としては、失神や心不全、不整脈などがあります。

 

・不整脈

時折不整脈で胸の痛みを感じる方もいます。不整脈とは心臓が通常通り規則正しく脈をうっていない状態であり、脈は速くなったり遅くなったりと様々です。

痛みの特徴としては、期外収縮という規則正しくうった脈以外に脈を打った場合に、ぎゅっと胸をしめつけられる痛みです。ただ持続は一瞬、長くても1分以内に収まる場合が通常です。

 

・大動脈解離

大動脈の壁が薄く避けてしまう病気です。動脈硬化が進んだ血管に起きやすいとされています。大動脈は心臓から身体の背側にかけてあり、いずれの位置でも激痛を感じる可能性はあります。

痛みの特徴としては、突然激痛が胸もしくは背中、腰に発生することがあげられます。場合によっては痛みの場所が移動することがあります。避けた大動脈の位置によってさまざまな随伴症状が起こります。

肺と気管・気管支

・気胸

肺や気管支関連組織が破れてしまい、空気が漏れてしまう病気です。ひどい時は漏れ出た空気が血管を圧迫して命にかかわることもあります。

痛みの特徴としては、肩や鎖骨、胸、背中におこる鈍痛があげられます。場合によっては呼吸苦や失神といった随伴症状も起こり得ます。

 

・肺塞栓(エコノミークラス症候群)

肺へ流れる動脈である肺動脈が、なんらかの原因で詰まってしまう病気です。原因としては深部静脈血栓症がほとんどですが、脂肪やがん細胞、血管中に入り込んだ空気でも起こります。

痛みの特徴としては、息苦しさや喀血を伴った胸部痛ですが、塞栓範囲が狭い場合は無症状も多いです。

 

・肺炎や肺がん

これらの疾患でも痛みを来す可能性はあります。胸部通が特徴的というわけではないですが、痛みを来しうる病気と知っておいてもいいと思います。

心膜や胸膜

・胸膜炎、心膜炎

肺や心臓の周囲の膜に炎症が起こってしまった場合も胸痛をひきおこします。

痛みの特徴としては胸膜炎は稀に息苦しさを伴う、深呼吸で増強する胸痛です。心膜炎も深呼吸時に痛くなりますが、他には姿勢で痛みが強くなったり、また発熱を伴うこともあります。

 

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食道や胃、腸管

・逆流性食道炎

胃の消化酵素の胃酸は強い酸性の粘液です。これが食道に逆流してしまう場合、食道の表面の粘膜は荒れてしまい、強い胸痛を感じることがあります。

痛みの特徴としては胸やけを伴う胸痛です。胸痛がひどい場合、胸が締め付けられるような痛みを感じ、心臓の痛みと似ていることが多々あります。水を飲むと症状が軽くなることもあります。

 

・胃十二指腸潰瘍

胃や十二指腸では、胃酸にやられないように粘膜がそれぞれの組織を保護していますが、ストレスやあれた食生活が原因で保護がうまく働かないことがあります。その場合、粘膜がやられてしまい、潰瘍という形で荒れてしまいまいます。

痛みの特徴としてはみぞおちや右上腹部、背中におこる痛みです。空腹時もしくは食後といった、食事関連で疼痛が起こったりやわらいだりします。痛みの程度と潰瘍の重症度は関係ないので注意が必要です。

 

・胃がん、食道がん

これらの疾患も痛みを来す可能性はあります。胸部通が特徴的というわけではないですが、胸に痛みを来しうる病気です。

他の腹腔内臓器

・胆石、胆のう炎

胆のうでは胆汁とよばれる消化酵素を貯留していますが、

痛みの特徴としては、右上腹部から右胸、右肩に放散する痛みです。脂肪を多く含んだ食物の摂取後に痛みが起こることが多いです。発熱や黄疸(肌や目が黄色くなること)が随伴することもあります。

 

・膵炎

膵臓では膵液という消化酵素を分泌していますが、油っこい食事や大量の飲酒が原因で膵臓に炎症が起きてしまうことがあります。

痛みの特徴としては、左上腹部や左背部に起こり、肩に放散する疼痛です。こちらも脂肪を多く含んだ食事をとったあとや大量飲酒後に起こることが多いです。膝を曲げて腹ばいになると症状がやわらぐことがあります。

肋骨、筋肉、神経など

・肋骨骨折

骨折のきっかけが明らかな場合もあれば、不明な場合もあります。

痛みの特徴としては、受傷の機転が明らかな場合が多く、深呼吸で増強する胸痛です。多発性に肋骨を骨折している場合、息苦しさも出現することがあります。

 

・筋損傷

何らかの原因で胸部の筋組織が損傷してしまう場合も胸痛を感じます。ケガやトレーニングが原因のことがほとんどです。

 

・帯状疱疹

ヘルペスウイルスというウイルスが原因です。左右どちらか一方に発症します。

痛みの特徴としては、帯状の発疹とその部位のピリピリとした痛みです。痛みはかなり強く、日常生活における苦痛は強いです。

 

・乳腺炎

母乳の不十分の排出などが原因で乳腺に炎症が起こったもので、ひどくなると数時間で悪化しますので注意が必要です。

痛みの特徴は、通常は発熱と患部の圧痛です。乳房緊満すると重症化することがあります。 

心因性

女性に多くみられ、多くの場合は患者さん本人や親御さんに悩み事があるようです。他の検査で全て陰性となった場合、心因性と診断されます。基本的に自然軽快していきますが、時にはその後に別の病気が判明することもあるので注意が必要です。

痛みの特徴は、胸の筋肉部の疼痛があげられます。

終わりに

どうですか?胸が痛いと訴える患者さんに対しては考えることを、2回にわたって書いてきました。

こんな感じのことを考えながら検査・診察をしていきます。

 病気を羅列するだけだと、怖いだけだと思いますので、そこに至るまでの考え方も少し書いてみました。難しかったでしょうか?

 

痛みは主観的な症状です。血液検査で痛みの程度がわかることはありません。

僕たちは問診から、こういったことを考えて診断に結び付けています。

 

また、糖尿病を患っている方は病気のせいで、痛みを感じないこともあります。

例えば、通常は激痛を伴う心筋梗塞でも、糖尿病の患者さんは胸の不快感程度しか感じないことが多々あります。

しかし、痛みを感じないだけで心筋梗塞が軽傷になったわけではありません。

通常ならすぐに治療開始しないといけない重症心筋梗塞への対応が遅れると、致命的になる場合もあります。

糖尿病の患者さんは注意してください。

 

何度も言いますが、僕がここで書いてきたことは一部だけです。当然これだけで判断はできません。

ですので、気になる場合は必ず医療機関を受診するように心がけてください。

 

 

ではこの辺で。 

何かありましたらいつでも是非コメントください。

それでは、また。 

 

 

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