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問診の準備と伝えるべき大切なこと【医者が教える問診のコツ】

 どうもDrアビです。 今回は病院で医者がどんなことを聞くのかに関して書こうと思います。

 

みなさんは病院を受診した時に、いろいろ聞かれて答えるのに時間がかかってしまって、あせったことはありませんか?

そして、間違って答えちゃった!なんてことはないでしょうか。

 

実は医者が患者さんに聞く問診はある程度決まっています。

ですので患者さん自身が聞かれることを前もって知っておくと、正しく答えることができますし、医者の診断もより正確になります。

 

また通常の問診の流れでは医者も分からないことがあります。

それは、患者さんの希望です。いったいどういうことなのでしょうか?

 

今回は医者の「問診」に関して書いていこうと思います。

    

 

 

問診の目的とは?

問診は診察の中で非常に大切です。一番といっても過言ではありません。

というのも、問診とは

患者さんの一番困っている事=主訴

を明らかにして、その後どのような検査を行うかを決める場だからです。

 

僕たち医者は、主訴と主訴に関連した事柄を聞いて、どのような疾患が疑われるのか頭の中で考えていきます。

その情報が正しければ正しいほど、診断の正確性があがります。

場合によっては問診だけで診断可能な場合も多々あります。

(ただし客観的な診断も必要ですので、問診だけで終わることは基本ありません)

そのくらい問診で得る情報とは僕たち医者にとって、とても重要なのです。

 

ただ、1日に何十人も診察しなければならない外来の状況では、ゆっくり30-40分かけて問診するわけには当然いきません。

患者さんの話を聞きながら、必要なこと、必要のないことを分けて考えて行っているのです。

 

問診の目的

患者さんの主訴とそれに関連する事柄を明らかにする

必要な検査を選択する

正しく診断を行う

 

問診の方法は?

では、基本的にどういうことを聞いていくのでしょうか。

ここでは大きく二つに分けて考えてみたいと思います。

開かれた質問

開かれた質問とは、患者さん自身が自由に考えて答える質問です。

例を挙げると、

「今日はどうされましたか?」

「どういう時に痛みますか?」

「その時、ご自身はどうお考えになりましたか?」

といった質問が相当します。

 

こういった質問に対しては、患者さんご自身が考えて自分の言葉で話をしますよね。これが開かれた質問です。

この質問は情報量が多く、僕たちは大切にしています。

 

反面、話がまとまらない患者さんや世間話もしてくる患者さんもいますので、この質問にかかる時間はなるべく短くしようとする医者も少なくないと思います。

閉ざされた質問

これは、最初から患者さんの答えがしぼられてしまう質問です。

例えば、

「熱はありましたか?」

「朝は痛みますか?」

「痰は何色でしたか?」

といった質問です。

 

こういった質問に対しては、患者さんは「はい」「いいえ」「黄色」など一言の返答ですんでしまいます。

 

基本的には上の「開かれた質問」を補うような質問をしますが、場合によっては医者の敷いたレールにのった問診となってしまい、言いたいことが言えないと思われるかもしれません。 

 

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どんなことを聞くの?

上記の質問方法を使いながら、医者はどんなことを聞くのでしょうか。

言い換えると医者はどんなことを知りたいのかとなります。

 

医者が知りたいことが分かっていれば、患者さんは最初からしっかりと説明することができますよね。

そして言いたいことが言えなかったという事も減るでしょう。

ここでは、医者が知りたいことを書いていきます。

主訴

これは、患者さんが一番困っている事、気になる事を指します。

「咳が止まらない」

「お腹が痛い」

「足のむくみ」

といった症状が当てはまります。

まず僕たちは主訴を明らかにすることから始めます。

場合によっては2つや3つ当てはまることがあると思いますが、少数のほうがより正確な診断に結び付きます。

どうしても1つに絞り切れない場合はそう伝えてもらえれば大丈夫です。

 

ここで注意することは、「困っている事」≠「主張したいこと」です。そこもしっかりと伝えてもらわないと、誤解が生じます。

(医者も聞けないこともあります)

 

例えば、

「お腹が痛いんだけど、親が肝臓が悪かったので、肝臓が大丈夫か心配」

で来院したとします。

この場合、主訴は「腹痛」です。

親が肝臓が悪かったという事や、肝臓の検査もしてほしいと伝えないと、腹痛に対する処方だけで終わってしまう可能性もあります。

 

主訴を伝えて上で、しっかりと希望を伝えてもらった方が、望む医療をしてもらえます。 

主訴に関連した事柄

上記で明らかにした主訴に対する補足的な事柄も必要な情報です。

これは列挙した方が分かりやすいと思います。

 

:どの部位の症状なのか

:どんな経過なのか、どういった時に症状が強く又は弱くなるのか

程度:どんな症状か、どれくらいなのか

:随伴する他の症状はあるのか

 

大まかにはこれくらいでいいと思います。

ここで「程度」の補足ですが、「どんな症状」の質問にはできるだけ詳しい情報があった方がいいです。

 

たとえば痛みなら「ズキズキ」痛むのか「ずーん」と痛むのか。どこかに抜けるような放散する痛みなのか。

高熱なら「がたがた震えるような熱」なのか、「高熱でひたすら汗がとまらない」のか。

詳しい症状の性質は、それだけで診断の助けになります。

患者さんの背景に関する事柄

患者さんの背景も必要な情報です。

こちらも列挙していきます。

 

既往歴、アレルギー、服薬歴、入院歴、家族歴

疾患やその治療と関係のある事柄に関しての情報です。

排尿・排便状況、食欲、睡眠、嗜好品

生活習慣関連の情報となります。

その他

女性なら月経・妊娠、他にはペットや海外渡航歴なども必要な情報です。

 

これらの情報も必要ですが、患者さんが自発的に言うことは少ないと思いますので、おそらく医者側から尋ねていく事柄だと思います。

患者さんの考え

主訴に対してどう考えているのかとても重要です。

薬だけ欲しいのか、精密検査を希望するのか、それとも気になることを聞きたいのか。

とても大切ですよね。

場合によっては、セカンドオピニオン(第二の客観的意見)を聞きにきたのかもしれません。

 

ご自身の考えをしっかりと伝えていただくことは、受診理由を叶えるためにも非常に大切なことです。

注意点

場合によっては、主訴に関係ないと判断される項目もあります。

(捻挫で来たのに海外渡航歴を聞かれても困りますよね)

 

多くの場合、省略されます。必要な情報を取捨選択するのも医者のテクニックの一つです。

 

全然問診せずに検査だけで判断する医者も問題ですが、問診で全てを質問して30-40分時間をかける医者も問題です。

(とはいえ、難しいことなんですが。)

 

実際の問診例

さて、実際の問診例をひとつ紹介します。

完全にフィクションです(笑)

 

「こんにちは、今日はどうされましたか?」

 (開かれた質問)

「昨日の昼から39度の熱があって喉も痛いです。熱は夕方くらいに一度37度まで下がったんですが、夜中また39度まで上がって、朝も変わらずできつくて。夜には咳も出てきてあまり眠れなかったです。熱が上がった時はがたがた震えがとまりませんでした。来週大事な会議があるので、薬をもらおうと思って来ました。」

 (主訴と主訴関連の事柄、受診理由について答えています)

「それはきつかったですね。咳と喉の痛み以外に症状はありますか?」

 (以降、その他の随伴症状の確認や主訴関連の質問)

「少し頭痛がするくらいです。あと鼻水も少しでます。それくらいです。」

「なるほど。熱に対して家では薬を飲んだりしましたか?」

「市販の風邪薬を昨日の夕食後飲みました。」

「時々このような高熱が出たりしますか?」

「いや、久々です。2-3年ぶりかな。」

「分かりました、では診察前に少し聞かせてください。今までかかった大きなご病気や食べ物や薬のアレルギー、また普段飲んでいる薬や入院したことはありますか?」

 (以降、患者さんの背景に関する質問)

「とくにありません。」

「ご家族や職場周囲で同様の風邪が流行ったりは?」

「していないと思います。」

「排尿や排便で違和感は?腹痛もありませんか?」

「うーん、いつも通りです。少し便秘気味ですが、いつも通りです。腹痛もありません。」

「食欲や最近の睡眠は?」

「特に変わりはないと思います。睡眠はだいたい1日5時間くらい寝てます。」

「たばこやお酒はどうですか?」

「両方ともしません。」

「わかりました、ありがとうございます。では今日は、昨日の昼から続く、喉の痛みと咳、頭痛、鼻水のある熱に対するお薬の希望ですね。昨日の夕方お薬を飲んで一旦熱は下がったものの、また上がってきたんですね。採血もしておきますか?」

 (まとめと患者さん希望の確認)

「そうですね、お願いします。」

「わかりました、ありがとうございます。ではまず診察していきますね。」

 

どうでしょう?問診の流れはこんな感じです。

最初に「開かれた質問」を行い、「閉ざされた質問」で詳しく聞いていきます。

上の例では、初めの開かれた質問で患者さんが丁寧に説明してくれているので、とてもスムーズですね。

 

その後の診察

問診後は他の診察・検査を行っていきます。

他の診察としては

「視診」「触診」「聴診」「打診」などがあります。問診である程度部位を明らかにして、その部位に対して診察を行っていきます。

そして必要ならレントゲンや採血といった検査も行っていきます。

また、察中に気になったことがあれば適宜問診で聞いていくことになります。

(上の例であれば、たとえば診察して首にあるリンパ節が腫れていた場合には、痛みがあるか、いつからなのか、など質問していきます。)

 

終わりに

どうでしょう。なんとなくお分かりいただけましたか?

問診の例も書いてみましたが、実際は問診表なんかもありますので、もう少し簡易化されていることもあります。

ただ、問診表に書いていても大事だと思ったことは、あえて質問することもあります。

 

大切なことは、患者さん自身がどうしたいか、しっかりと希望を伝えることです。

内服で治療したいのか、点滴がいいのか、検査をしてほしいのか。

そのあたりを伝えていただけると、適切な治療方針が立てやすくなります。

 

もし病院受診の際になかなか考えていることを伝えられない方がいて、少しでもその助けになれれば幸いです。

 

 

何かありましたらいつでも是非コメントください。

それでは、また。 

 

 

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