サッカーと焼酎と外科医と。

サッカーと焼酎と音楽が大好きな外科医です

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お酒 vol.4~魔王

どうも、Drアビです!久々のお酒ネタです。第4弾。

今回のお酒は「魔王」。強烈な名前で印象に残る、九州でもトップクラスの銘酒。

いつも通りの小説風味でどうぞ。

 

 

 

魔王

 

医師国家試験を奇跡的に合格することのできた僕は、これからの医師という自分の仕事に期待に胸を膨らませ、研修病院で研修医として働いていた。研修期間は二年間。その後は自分の好きな診療科を決めることになる。※

 

(※ 簡単に説明すると、研修医とは医大を卒業し医師国家試験に合格した者が、臨床の現場で二年間、さまざまな診療科をローテートし、医師としての経験と知識・技術を習得している最中の医師のことである。

ローテートする診療科は各々の研修病院によって特徴があるが、ほとんどの病院では内科・外科・麻酔科・産婦人科・小児科・救急科・精神科は経験することになっている。

(これは卒業年度によっても多少異なっている)

そして二年間の研修期間が終わると、各自希望の診療科にすすむことになるのである。

(看護師は自分の希望の診療部署に配属できないことも多々あり、その点医師は非常に恵まれていると思う

 

とはいえ、僕が持っているものは「医師ならみな経験した国家試験を合格した」という肩書のみ。

僕の良いのは威勢だけで、大した知識もコツコツとした勤勉さも持ち合わせていないということを指導医には早々に見破られ、決してサボらないようにと大量の課題をだされ、毎日夜遅くまで働き勉強していた。

 

だが自分でいうのは何だが、僕は思いのほか要領がよかった。一か月もすれば当直のない日には出された課題を最低ラインまで仕上げると、早々に近くの大衆居酒屋に同僚もしくは一人でよく飲みにいっていた。

 

初任給を貰った嬉しさと医師として働いているという状況は、飲んでいるときの僕を気前良くした。行きつけの居酒屋のあらゆる酒やつまみを注文し、学生の頃に勝るとも劣らない程飲んでいた。

研修医の給料は必ずしも高くはなかったのだが、それでも学生時代の僕からしたら生活するのには十分な額であった。

 

おかげで病院周囲の居酒屋では僕は人気者で、大将や常連さんは必ず声をかけてくれたし、いろんな話を聞くことができた。

時には詳しいことは言えないが、みるからに怪しい男性の危険な日常の話なんかも聞くことができた。僕にとってはその話は全てが非日常的で社会勉強になり、非常に楽しかった。

 そんな僕だったから、行く居酒屋は大衆的で、お手頃価格設定の店がほとんどだった。常連さんや大将と大声でガハハと笑えないような、おしゃれなディナープレイスや高級店は行ってもつまらなかった。

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そんなある日のこと。僕が仕事終わりに同僚を誘っていつもの居酒屋に向かったが、その日は何らかのイベントのような集まりがあり、貸し切りで入れなかった。

 珍しいこともあるもんだと別の居酒屋に向かったが、そんな日に限って他の店も満席で、あとは病院から少し離れた、高級さを売りにしている鍋屋さんくらいしか残っていなかった。(この鍋屋さん、という言い方が正しいのかはわからないが、僕らはそう呼んでいた)

 その店は壁の一面がガラス張りで中が見える造りになっているのだが、大勢でにぎわっているのを僕は見たことがなかった。

儲かっているのかどうかは分からないが、店の外のメニューを見る限り値段設定は結構高額であり、きっとお金持ちなんかがふらっと訪れては大金を落としていくような店なのであろう。

 しかし、給料日直後だった僕らは気も大きくなり、まあ今日くらいは贅沢をしてもばちは当たらないだろうと、その店で飲むことに決めた。

それにこういう店で飲んだという経験も話のネタになり、酒のつまみになるだろうとも考えていた。

  

店に入り、メニューをみていて僕は少し驚いた。そこに並んでいる焼酎は、僕が今までいろんな居酒屋で眺めていたものとは少し違うラインナップだった。

 なるほど。店が変わると芋焼酎のラインナップも変わっていくのか。

それでは、この店で一番高い芋焼酎を飲んでみようではないか。一体どんなもんだ。

どうせ舌が馬鹿な僕には味の違いは大して分からず、「これなら黒霧島でええな」とか、アホなことを僕はぬかすんだろう。

 

そんな事を思いながら僕は一杯目のビールの後にその焼酎を注文することにした。

店員さんは「おお、それ頼むんですか!」とかのリアクションをしてくれるだろうかと少し期待しつつ、頼んだ。

「魔王をロックでください」

  

だが店員さんは顔色一つ変えず、「かしこまりました」とだけ言い残し、持ってきた高級鍋料理をおいて厨房へ戻っていった。やはり、こういうお店は性に合わないと確信した。

 だが、運ばれてきた魔王を飲んで衝撃を受けた。僕の馬鹿舌でもその違いははっきりと分かった(気がした)。

 

ややフルーティでまろやかな味わいだが、芋臭さの良い所だけ残している。醸造の過程でできた雑味なんかは残っておらず、フルーティさと芋臭さの融合とでも言うのか、とてつもなく美味しかった。

 こいつをぐびぐび飲むと間違いなく飲みすぎる。それくらい飲みやすく、美味しく、くせになる焼酎だ。まさに悪魔の王である。

  

僕の中で魔王が歴代芋焼酎のトップに堂々と君臨した瞬間だった。

 

 だが、その値段も悪魔の王だった。

一杯千五百円は少なくとも学生の頃は全く飲もうとも思わなかった金額だ。

 

きっと今から十年二十年もすれば、家にはこういうお酒が常にあり、大きな家の食卓で味わっているのだろう。

その時までは、黒霧島でいいかな。魔王はもうちょっと大人な男性になってからだ。

高級鍋を完全に脇役へと追いやったそれを飲みながら、僕はそう思った。

  

そしてあれから1×年たった。今でも僕は相変わらず黒霧島を飲んでいる。

魔王1杯飲むよりも、黒霧島3杯飲む方がいい。そんなことをぬかしながら。

 

僕が大人な男性になるのはまだ先のようである。

   

続く。 

 

 

※注意※

僕はアル中ではありません。笑

お酒の飲みすぎは体に良くありません。適量飲酒をこころがけましょう。笑

 

 

 

前回は 「赤霧島」を紹介しました!

酒が魔王ならラップはデビル!こんな曲はいかがですか?

僕の自己紹介はこちらからどうぞ。

 

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