サッカーと焼酎と外科医と。

サッカーと焼酎と音楽が大好きな外科医です

サッカーと焼酎と外科医と。

あまり知られていない外科医の手術練習法 ~前編

どうもDrアビです。 今日から2回にわたっては外科医がどうやって手術を練習するのかに関して書こうと思います。

 

どんな外科医でも、スーパードクターと言われる方々も、初めての手術はありました。そしてその初めての手術を迎えるために、いろいろな練習を積んでいきたのです。

さて、ここで手術の練習って簡単に言いましたが、いったいどのような練習なのでしょう?

もしかしてぶつけ本番でいろんな手技を経験しているのでしょうか?

 

今回は外科医の手術練習法に関して簡単にお話しします。

  

 

 

手術に必要な技術

みなさんの考える手術に必要な技術とはなんでしょう。

すごく細かい物を切ったり縫ったりする技術でしょうか?

それとも一瞬で必要な手技を完了するスピードと正確性でしょうか?

一言で手術といってもいろいろな技術が必要となります。そして手術の練習とは、実はそれら全ての土台となる基本的事項を繰り返し練習することなんです。

ただ、初執刀の手術をする前に全ては見えてきませんから、初執刀を迎えるまでの練習とそれ以降に新たに考えた事、で分けてみたいと思います。

 

初執刀までにする練習として、まずは「手先の技術」の練習があります。これは想像しやすいかもしれませんね。

外科手技ではさまざまな手先の技術が必要になります。このトレーニングをしなければ手術を終われませんし、終われたとしても合併症の多い手術となるでしょう。

外科医が何よりも身につけるべき手先の技術はトレーニングが必須です。

 

そして次にする練習は、「頭の訓練」です。

分かりにくいかもしれませんが、無意識で手術ができるようになるのは、かなり熟練してからです。

それまではきちんと頭を使って手術をしなければなりません

とはいえ、頭の訓練とはいったいなんでしょうか?これもトレーニングが必要です。

 

そして初執刀以降に考え出したこと

これには様々なものがあります。僕もまだ修行中の身ですし、全て見えているとは思いません。ここでは簡単にご紹介したいと思います。

 

技術のトレーニング

外科医にとって手先の技術トレーニングとして、代表的なものが2つあります。

ひとつは結紮(糸結び)、もう一つは縫合(運針)です。これらば代表的な外科手技で、トレーニングは必須です。

というか、手術の基本であり、これができないと手術になりません。それくらい大事なものです。

結紮(糸結び)とは

糸結びとは、読んで字のごとく手術で用いる糸を結ぶことです。

糸を結ぶくらい、と考える方もいらっしゃるかもしれませんんが、練習してない研修医なんかに皮膚表面の糸結びをさせると意外としっかりできないものです。

ましてや、術野の奥深いところにある脆弱な組織を結紮する場合、練習していないとまず組織を裂いてしまいます

 

手術で用いる糸はさまざまな種類があります。中には髪の毛よりも細い糸もあります。

普通に糸を観ながらでは結べません。この場合、手先の感覚と指にかかる張力を感じながら結紮します。

(ちなみに術中は手術用手袋をしているので、手先の感覚はかなり難しいです)

 

そして結紮する方法にも種類があります。

両手結紮・片手結紮・器械結紮。

細かくは割愛しますが、各々について当然練習が必要です。興味のある方はYoutubeなどでも上がっていますので、見てみても面白いと思います。

 

ただ、一番重要なのは確実でほどけない、さらに適切な閉め具合で結ぶという事です。

これを行うためには当然練習は必要となります。

縫合について

手術で用いる手術針は、弧状になっているものがほとんどです。

この弧状の針を用いて組織同士を縫合したり、血管からの出血を縫って止めたりするのです。

ここでは、針を素手でもって縫うわけにはいきませんから、持針器やニードルホルダーと呼ばれる器具を用いて縫合をしていきます。

 

縫合の際に注意が必要なのは、変な力が入ると組織が裂けてしまうという事です。練習不足の若い外科医が無理に縫合しようとして持針器を引っ張り、組織が裂けてしまったというのは何度か見たことがあります。

また、術野組織と術者の体勢の位置関係次第では、非常に無理な体制(やりにくい体勢)で縫合する必要が出てくる場合もあります。そういう場合に、持針器をうまく使えないと思うような縫合ができません。

 

大事なことは、思ったところに針を入れ、思ったところから針を出す正確さと、組織に力がかからないような運針です。(そして出来たら素早く)

これが難しい。まだまだ僕も練習が必要です。

 

さて、これらの技術をどういうふうに練習していると思いますか?いきなり人の体で何回も練習するわけにはいきませんよね。

f:id:avispax:20190312050346p:plain

 

結紮の練習法

結紮の練習はひたすらに糸を結びます(そのまんま(笑))。結ぶ糸は何でもいいです。

僕はミシン用の糸を買ってひたすら白衣のボタン穴や、机の引き出しの取っ手に結んでいました。眼をつぶっても結べるくらいひたすらに練習しました。

術野の奥の結紮練習には、机の引き出しの奥にあるネジに結んでいました。

引っ張りすぎないように、5円玉に糸を通して、結ぶ間5円が持ち上がらないようなテンションのかからない結び方を練習しました。

難しかったですが、その分技術は上がったと思います。

良い思い出。 

縫合の練習法

縫合の練習には薄い紙や布をコップの飲み口に貼り付けて、ひたすら攝子(手術用ピンセットのような器具)と持針器で、糸のない針を使って練習していました。

時には円形、時には星形といったふうに、針の出し入れをある程度コントロールするような運針練習や、

いかに素早く丁寧に、攝子と持針器で針も持つ方向を変えるか、といった器具の使い方も練習していました。

 

某マンガで主人公がティッシュペーパーで縫合の練習をしているのを観ましたが、それもいい練習法だと思います。(数日でうまくなるようなものではないですが)

技術トレーニングの成果

トレーニングを繰り返して行うと自信になります。これは手術に限ったことではないですよね。いろんな分野でそうだと思います。

これくらいは結紮できる、これくらいは縫合できる。

そう思うことで自信をもって手術ができるようになったと思います。

 

時折、ろくに結紮もできない若い外科医をみます。

緊張で手が震えて結べない分には仕方ないと思えますが、そうでなければ、よくそれで患者さんに手術をしようと思うなあ、と思ってしまいます。

自分もまだえらそうに言えるほどではないんですが(汗)

 

 

 

いかがでしたでしょうか。今回は手術の練習に関して:前編でした。次回は後編。頭のトレーニングと初執刀以降考えることについてです。

 

それでは、また。

 

 

 

 

手術の合併症にはどんなのがあるの? 

手術の流れってどうなっているの? 

僕の自己紹介はこちらからどうぞ!

 

↓↓こちらのランキングには他の医師のブログサイトも多数登録していますよ~

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
にほんブログ村


にほんブログ村 サッカーブログへ にほんブログ村 サッカーブログ アビスパ福岡へ にほんブログ村 酒ブログへ にほんブログ村 酒ブログ 焼酎・泡盛へ にほんブログ村 病気ブログへ にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ


サッカーと焼酎と外科医と。
お問い合わせ  プライバシーポリシー

© 2019 サッカーと焼酎と外科医と。 All rights reserved.