サッカーと焼酎と外科医と。

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お酒 vol.3~赤霧島

お酒ネタ第3弾。

今回は霧島系列で、紫芋から作る芋焼酎「赤霧島」。引き続き小説風味でどうぞ。

 

 

赤霧島

   

黒霧島という、値段・味の双方の面で自分の納得できる芋焼酎を見つけた僕に、怖いものはなかった。

この焼酎は、九州ならばほとんどの店に置いている。居酒屋にも置いている。さらに言えば、どの店に行ってもこの酒の値段は安く、ほとんどがその店の最安値である。

 

どこに行ってもこの酒を注文すれば間違いはなかった。大学生になって、僕は生まれて初めて自分の行きつけの居酒屋を見つけた感覚で、ひたすらに「家飲み」で黒霧島を、鼻高々で飲み続けた。

お金がない時には、塩をつまみに飲んだこともあるし、ビンの蓋をあけ、臭いを嗅いで飲んだつもりになって寝たこともある。

いろいろな思い出を日々、この酒と積み上げていった。それはまるで両想いの彼女との思い出のように、僕にとってはきらきらと輝いて思えた。

 

ところが、どんなに彼女と深い両想いであったとしても、二人の間に異変というものはいつでも生じ得るものである。黒霧島を飲み始めてからしばらく経った頃、僕の中に何とも言い表しがたい疑問が、ふと沸き起こった。

  (このままでいいのだろうか)

  

もちろんこれは、勉強せずに飲み続けていていいのだろうかといった医学生としての良心のような類ではないし、毎晩毎晩飲み続けて僕の体は大丈夫なんだろうかといった自身の健康に対する不安では、全くない。

(健康に関しては、働き出して僕は痛風を発症してしまうのだが、その話はまた後日。)

 

それは、他の酒の味もほとんど知らないまま、黒霧島だけが唯一自分にあう酒だと信じ込むように毎晩毎晩飲むことに対して、自身を客観的に眺めている「理性のようなもの」がなげかけた疑問だった。

 

しかし、だからといって他の焼酎を冒険して飲むのも嫌だ。ただでさえバイトをしながら、何とか生活しているのだ。無駄な出費は避けたい。

どうせお金を払うのだから、自分が美味しいと思う酒を買って楽しみたい。黒霧島という彼女を嫌いになったわけではないのだから。

 

僕はその「理性のようなもの」からの疑問はもっともだと認めつつ、どうすればいいのか分からずに宙ぶらりんのような気持ちで生活していた。

もちろん、その間も黒霧島を飲むときは全力で味わっていた。今まで通り友人と飲み、一人で飲み、友人と飲み、一人で飲み。僕だけ飲む頻度が単純計算で2倍あるのだが、その全てで黒霧島を全力で味わい、楽しんだ。

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そんなある日。確か九州にしては寒い日だったと思う。

ある居酒屋でいつものように黒霧島のボトルキープのおかわりをお願いした。いつもの事なので、何気なく注文したが、女将さんは申し訳なさそうに、

「あー、今日は黒霧島は終わっちゃったんよー。代わりに赤霧島ならあるんやけど、黒霧島の値段でいいよー」

と簡単に言ってきた。

 

赤霧島の話は聞いたことがある。当時は確かあまり出回っておらず、やや高めの値段設定だった(と思う)。黒霧島の系列のひとつで、どうやら美味しいらしい、という噂だ。

黒霧島がないという今まで経験したことがない事態に納得はできないが、最後の1本を開けたのが僕たちだということなので仕方がない。それにまだ帰りたくはない。飲み足りない。

 

僕たちは仕方なく、赤霧島を飲むことに決めた。

 

ラベルは黒霧島とにているが、やや安っぽく感じた。少し高いんだからもう少し高級感を出せばいいのにと思った。だがそんなことは問題ではない。値段が黒霧島と一緒でいいのならば、あと大事な事は味である。

 

味は・・・悪くない。むしろ好きな風味である。素直に言うと、美味しい。

 

てっきり黒霧島以外の焼酎は全て、悪夢のようなフラッシュバックとともにリバースを催す、毒のようなものを想像していたのだが、全くそうではない。

 

まろやかな舌触りで芋臭さは抑えつつ、それでいて芋本来の味に、おそらく紫芋に起因するであろう甘みが若干加わっている。黒霧島と同じ値段であるなら、時々これを注文してもいいだろう。ほぼ黒霧島しか飲んだことのない僕は偉そうにそう思った。

 

要は僕のお気に入りにめでたく入ったのだ。ずっと僕の中にあった疑問はこれですこし晴れた。

僕が知らないだけで、やはり旨い焼酎はたくさんあるのだ。

まるで夢が覚めた気分だった。

 

きっと、もっと僕好みのお酒はあるはずだ。 大学を卒業して働き出して給料をもらうようになった時には、いろいろと試してみよう。

その時僕は心に誓った。

  

そして僕は年を取り、色々な酒の味も覚え、気分によって飲む酒を選べるようにもなった。黒霧島以上にお気に入りと言える酒もできた。だが実は、今なお「理性のようなもの」は語りかけている。

 心配事はたくさんある。健康、仕事、将来への不安。今度はいったい何に対してなのだろうか。

 (このままでいいのか)

  

今回は見当もつかないが、とりあえず酒でも飲んで考えてみよう。今日分からなければ、明日分かるかもしれない。気のせいなのかもしれない。

そう思いながら今日もまた、焼酎のボトルは一本一本空いていくのであった。

  

続く。 

 

 

※注意※

僕はアル中ではありません。笑

お酒の飲みすぎは体に良くありません。適量飲酒をこころがけましょう。笑

 

こちらは赤霧島の兄弟分「黒霧島」です!

九州男児はなぜ酒が強いのか

僕の自己紹介はこちらからどうぞ!

 

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